エリート上司と秘密の恋人契約
「美弥に似合いそうだなと思ったとき、ちょうど誕生日なのも思い出してね。でも、4月まで帰れないなと思っていたら、黒坂さんから話が来て、すぐに承諾しちゃったよ」


私の誕生日を覚えていてくれて、私のことも思い出してくれた。

黒坂さんからの話をすぐに承諾したというその理由に私のことも含まれているのだろうか。

私に会うために早く帰りたかったと思ってもいいのだろうか。

和真が私のことを想っていてくれていると自惚れてしまってもいいの?

胸元で輝くダイヤに和真が手を伸ばす。微かに肌に触れたから、体を揺らしてしまった。触れられた部分が熱くなるように感じた。


「きれいだな」


「うん、ありがとう。でも、こんな高価なものをもらってもいいの?」


「ハハッ、もちろんだよ。返されても困るから返さないでね」


「えっ? もらったものは返さないよ。フフッ」


絶対に返さない。和真が私のことを考えながら買ってくれた物だ。ずっと身に付けていたい。


「ありがとうございました」
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