エリート上司と秘密の恋人契約
確認しなければいけないけど、どうやって確認したらいいか分からない。

さっき、和真は私と1度も視線を合わせようとしなかった。サラと付き合うようになったから、私のことを避けていたのかな。

そんな和真にどうやって聞いたらいいか分からない。

それに、聞いたところで噂は本当だと言われたら、どうしたらいいの?

午後の業務は全然捗らなかった。和真のことばかり考えていて、何も手をつけれなく、ぼんやりとパソコンの画面だけを見ていた。

急ぎの仕事がなかったことが幸いだった。今日はもう帰ろう。

家に帰って、気持ちを整理しよう。

終業時刻と同時に、パソコンをシャットダウンさせる。


「美弥、ちゃんと話しなさいよ」


さやかさんは、無気力になっている私に何度も「大丈夫?」と声をかけてくれた。聞くのが怖いからと逃げていてはダメだ。でも、本当に怖い。


「星川、もうあがるの? 珍しいな」


「小沢……」


会社の外に出たとき、営業から戻ってきた小沢と出会う。小沢の顔を見たら、なんだか涙が出そうになってきて、目頭を押さえる。
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