エリート上司と秘密の恋人契約
大丈夫、和真は既に別れた相手。私の片想いが実らなかっただけだ。

そんなに傷は深くない……なのに、何で涙が止まらないの。ハンカチで顔全体を覆った。


翌日の朝、起きると目が重かった。必死で目を開けるが視界が狭い。

体もだるかったけど、失恋で仕事を休むことは出来ない。まず洗面所に行き、鏡を見たが、予想通りのひどい顔だった。腫れている目を家を出るギリギリまで冷やして、出社する。

さやかさんは、ひどい私の顔を見るなり顔をしかめた。


「美弥、何でそんな顔してるのよ。目が赤いし。あー、もう! 原因は諸橋くんでしょ? 本当にもうあの人は何をしているんだか……一言文句を言ってやりたい。本当に美弥が心配で落ち着いてやめれないじゃないのよ」


「えっ? 今、やめるって言いました? さやかさんがやめるんですか?」


今日も朝から気力を無くしていた私をさやかさんは心配してくれだけど、その中でさらりと言った言葉を聞き逃さなかった。

驚きで声が大きくなる。

やめるって、どういうこと?
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