エリート上司と秘密の恋人契約
さやかさんは、遠距離恋愛に否定的だった私の考えを見事に塗り替えてくれた。遠く離れていてもお互いの絆が強ければダメになることはない。

恋愛に距離は関係なく、大事なのはお互いの気持ち。


「本間さん、結婚するの？　おめでとう」


「黒坂部長！ いつの間に来ていたのですか？ ありがとうございます」


「ハハッ。社内報のことで打ち合わせに来たんだよ。星川さんもメンバーじゃなかった？」


「あ、そうでした。すぐ準備します」


黒坂さんに指摘されて、私は今日のスケジュールを思い出す。

泣いている暇はない。仕事をしなくちゃ。

打ち合わせ場所は広報部のミーティングルーム。気付けば、課長も主任ももういなかった。

私は急いでファイル等資料を抱えて、黒坂さんと奥のミーティングルームへと進んだ。


「それにしても、星川さんの目が赤いのは諸橋が原因？ 全くアイツは何をしているんだか……」


黒坂さんにもやっぱり分かってしまう。私のせいで和真が悪者になるけど、それを悪いとは思わない。本当に原因は和真だから。
< 193 / 232 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop