エリート上司と秘密の恋人契約
「ん? ああ、サラ、お疲れさま。駅に行けばタクシーに乗れるから、気を付けて帰ってね。星川さんもほら、行くよ。早くおいで」


黒坂さんはサラに手を振って、その手で私を手招きする。


「待って!」


急いで後を追おうとした私の腕をサラががっしりと掴んだ。


「えっ?」


「和真は私のものよ」


「えっ、いたっ」


掴む手に力を入れたサラは長い爪を私の腕に食い込ませた。痛い……。


「美弥ー! 早くしてー」


「はい、行きます! 離して!」


サラに負けずと力を入れて、振り払う。「待って!」背後からサラの呼ぶ声が聞こえたけど、足を止めないでさやかさんの元へと小走りした。


そして、私たち四人は会社近くの居酒屋に入る。

私の前に和真、私の隣にさやかさんが座った。

正面に座る和真を見れなくて、斜め前に座る黒坂さんを見るとなぜか笑われる。

何でこんな展開になっているのだか……。
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