エリート上司と秘密の恋人契約
さやかさんと黒坂さんに少々追い詰められる形となった和真は烏龍茶で喉を潤してから、話を始める。
私たちは口を挟まず、真剣に聞いた。
「そういうことになるかな。美弥とは遠距離恋愛が出来ないと思ったから。ニューヨーク赴任の話が何度か出ていて、受け入れるつもりでいたから、気持ちを伝えるタイミングが今ではないと判断した。だったら、いつがいい? 1年で戻ってこれるなら戻ってからしたらいいかと考えていた」
テーブルに視線を向けていた和真が顔をあげて、私と目を合わせる。
「だけど、俺と美弥には仕事でも接点がないから、話すことさえもない。それに美弥のそばに小沢がいた。小沢が美弥に好意を抱いているのは感じていたから、いない1年の間に二人がくっついてしまったらどうするんだ? と焦りが出てきて。焦ったからといっても、遠距離恋愛になると分かっていて、交際を申し込むことは出来なかった」
私の気持ちを考えて、思いとどまったということなのかな。
「でも、あの日美弥と同じエレベーターに乗ったとき、瞬時に俺を知って、覚えていて欲しいと思った。それで、出た言葉があれだった……」
私たちは口を挟まず、真剣に聞いた。
「そういうことになるかな。美弥とは遠距離恋愛が出来ないと思ったから。ニューヨーク赴任の話が何度か出ていて、受け入れるつもりでいたから、気持ちを伝えるタイミングが今ではないと判断した。だったら、いつがいい? 1年で戻ってこれるなら戻ってからしたらいいかと考えていた」
テーブルに視線を向けていた和真が顔をあげて、私と目を合わせる。
「だけど、俺と美弥には仕事でも接点がないから、話すことさえもない。それに美弥のそばに小沢がいた。小沢が美弥に好意を抱いているのは感じていたから、いない1年の間に二人がくっついてしまったらどうするんだ? と焦りが出てきて。焦ったからといっても、遠距離恋愛になると分かっていて、交際を申し込むことは出来なかった」
私の気持ちを考えて、思いとどまったということなのかな。
「でも、あの日美弥と同じエレベーターに乗ったとき、瞬時に俺を知って、覚えていて欲しいと思った。それで、出た言葉があれだった……」