エリート上司と秘密の恋人契約
つまり和真を追いかけることに飽きたというところか。

「あげる」とか「いらない」とか言われても、和真はものではない。そもそも、和真とサラは付き合ってもいないはずだ。

和真が言っていたことに間違いがなければ……


「和真と付き合ってはいなかったの?」


「えっ? ああ、付き合ってはいないわ。なかなか落ちないからがんばってみたけど、もういらない。特別好きでもないし、追いかけるのはやっぱり私に合わないわ」


和真が自分のものにならないから、必要以上に執着していたようだ。

サラの考えは理解できないけど、とりあえずライバルはいなくなって、残る問題は和真の気持ちだけになった。

社長のスケジュール調整の確認はすぐに終わり、部長に報告をした。


私の心は明日の夜に飛んでいた。

和真とのことがハッキリしないと仕事に集中が出来ない。パソコンに向かっていても、どうでもいいフォルダを開いて、閉じたりを繰り返していた。


夜に和真からメッセージが届く。


『二日間分の着替えを持ってくるように』
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