エリート上司と秘密の恋人契約

「フッ。美弥、くすぐったいよ。さっき出たとこ。美弥も入ってくる？ 富士山がよく見えるよ」


「富士山！」


私はガバッと起き上がった。そうだ、富士山を見るのを楽しみにしていたんだ。

窓を見るとかなり外は明るくて、太陽が昇っているのが分かった。

夜、寝る前に天気予報をチェックしたら晴れだった。当たった予報が嬉しくて、ベッドから降りて窓まで急ぐ。


「わあ！ すごい！」


目の前どーんとそびえ立つ富士山があった。半分くらい雪で覆われている富士山は本当にきれいで、改めて感動した。

和真に「覗かないでね」と念押しをしてから、部屋にある露天風呂に体を沈める。

なんて贅沢な朝の時間だろう。

きれいな景色と気持ちのよい温泉に心が癒される。ガチガチだった肩の筋肉もほぐれる。

きっとここで素直になれる。

さやかさんや黒坂さんに言われたように、素直に自分の想いを伝えよう。