エリート上司と秘密の恋人契約
朝食を終えて、テレビを見ていると和真から散歩に誘われる。お天気が良いし、湖畔を歩くのは気持ち良さそうだ。

部屋でのんびりするのもいいけど、外も歩きたい。

誘いを承諾して二人で外に出たが、私は和真の半歩斜め後ろを歩いた。


「んー、気持ちいいな」


少し歩くと和真が両手をあげて、大きく伸びた。


「ほんとだね」


笑って、横に並ぶと優しく微笑んで、伸ばした左手を私に差し出す。


「えっ?」


「行こう」


右手を握られて、繋がったままで歩く。和真の体温が伝わってきて、胸が高鳴る。

今さら手を繋いだだけでドキドキするなんて、おかしいな。

初めてデートした時の気分になる。


「美弥」


呼ばれて顔を和真に向けると目が合う。


「美弥の隣で歩けるのが一番嬉しいよ」


「うん。私も嬉しい」


和真が嬉しい言葉をくれるから、素直に感じる気持ちが伝えられる。

嬉しかったら、嬉しいと言える。

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