エリート上司と秘密の恋人契約
どんな顔でも見たいなんて、意地悪だ。好きだからと言っても見せたくないところだってあるのに。

結局、和真は隅々まで味わって満足した。私もとろけるまで満足させられたから文句は言えない。

体だけではくて、心も結ばれたから気持ち良さが倍増だった。


「あー、気持ちいいな。こんな時間からやって、風呂に入って、日本一の山を見るなんて最高だね」


「クスッ。うん、気持ちいいね」


まだ太陽は高いところにある。こんな時間に富士山を見ながら露天風呂に入っている人は多くはいないだろう。

だからこそ、贅沢で最高な時間だ。

後ろから私を抱き締める和真の手を握る。


「和真がニューヨークに行っている間、ものすごく寂しかったけど、また会えることをずっと楽しみにしていたの」


「うん」


「それでね、和真が帰ってきたら私から付き合ってと言おうと思っていたけど、やっぱり和真に言われちゃった」


いざとなると勇気が出なかった。本当は昨日の夜に伝えようと思っていたけど、和真が寝てしまっていたから出来なかった。

単なる言い訳になってしまうけど。
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