エリート上司と秘密の恋人契約
他人から見たら、下らないことでじゃれて笑い合っているかもしれないけど、こんなふうに顔を見合わせて笑えることが嬉しく、幸せだなと感じる。

ランチを近くにあるカフェで食べて、その後、富士五湖を車で回った。

ただドライブしているだけで、楽しくて幸せだった。

ぐるりとひと通り回って、また旅館に戻る。


部屋に戻ると和真は畳の上に寝転んで、両手を大きく伸ばした。


「あー、気持ちいいな」


それから目を閉じた。

運転して疲れたのかな。

私も隣に寝転んで、和真に体を寄せる。

チラッと目を開けた和真が私の肩を抱いて引き寄せた。和真の胸に顔をつける。

心地よい。


「あのさ」


「うん?」


「今のマンションを引っ越そうと思うんだ。で、ペットが飼えるマンションにして、ミヤを返してもらおうと思う」


和真はずっとミヤをそばに置いておきたかったという。ミヤも和真と暮らすのを望んでいるかもしれない。


「うん、きっとミヤも喜ぶね」


「でさ、いつ結婚しようか?」


「えっ? 結婚?」
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