エリート上司と秘密の恋人契約
定時に業務を終わらせて、フロアを出る。明日の夜からの宿泊で何が起こるか分からないから、とりあえず下着を買いに行こうと思った。

期待してはいないけど、もしもの時のために。

でも、和真にも軽い女だと思われなくないな。

心の中であれこれと葛藤をしながら、1階のロビーを正面玄関に向かって歩く。


「星川ー」


聞きなれた声に呼ばれて振り返ると、同期である小沢弘人(おざわひろと)がいた。営業部にいる小沢は仕事上でも繋がりがあり、一番親しくしている同期だ。

小沢も和真と同じような体型でスラッとしていて背が高い。ただキリッとした顔立ちの和真とは違い、くりっとした丸い目が人懐っこい犬のように見え、同い年だけどかわいく見える。

そんな小沢は先輩女性社員に人気が高い。


「もう帰るの?珍しく早いじゃん」


「うん、たまにはね。小沢は?」


「俺は小腹が空いたから、コンビニに行くとこ」


オフィスを出て、3分歩くとコンビニがある。そこまで、並んで歩く。
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