エリート上司と秘密の恋人契約
「そういえば、妙な噂を聞いたんだけどさ」


「なに?」


「星川と諸橋副課長ができているって」


きた!

この手の噂話は流れるのが早い。

今朝の事がもう噂になるなんて、本当に怖い。多分、廊下で和真といたのを見た誰かが面白おかしく流したのだろう。

やっぱり行動は慎重にしないといけない。


「なにそれ? ほんと妙な噂ね。私と諸橋副課長だなんてあり得ないよ」


「やっぱそうだよな? 星川から聞いて、安心した。じゃ、お疲れさん」


コンビニに入ってく小沢に手を振って、駅へと向かった。噂も気になるけど、それよりも明日の夜のほうが重要だ。

下着は何色がいいだろう?

清楚系? セクシー系?

私にセクシーさはある? ないな…。
清楚さはある? こっちもない。

さて、どうしよう。

和真の好みはどっちだろう?

ランジェリーショップで悩みに悩んで買ったのは結局自分の好きな色。

見せるかどうかも分からないのに悩むなんて……勝手に悩んでいるのだけど、この先思いやられる気分になった。
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