エリート上司と秘密の恋人契約
家に帰るとスマホが鳴ったので、確認すると和真からメッセージだった。

明日の待ち合わせ時間と場所が書いてあった。「了解しました」と返信する。

予感はしていたけど、やっぱりホテルのレストランだった。そのままそこに泊まるのかな。

付き合い始めたものの、好きとか嫌いとかいう感情のない状態で週末をずっと一緒に過ごすのは拷問に近いかも。精神的に大丈夫だろうか。

胃が痛くなってきた。胃薬を飲んで寝ようかな。


いろいろ考えていたら、なかなか寝付けなかった。

睡眠時間、三時間。

先月、26才という年齢になった私。寝不足は肌の天敵だというのに……うっすらと出来てしまった目の下のくまをコンシーラーで隠す。

一応大事な初デートとなる日にひどい顔は出来ないけど、夜までもつだろうかと不安になる。


「ん？美弥、いつもよりメイク濃くない？」


「そ、そうですか？」


寝不足を隠すためにしてしまった濃いメイクをさやかさんに指摘されて、コンパクトミラーで確認。
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