エリート上司と秘密の恋人契約
この交際はゲームだと私は思ったはずだった。

だから、好きになったらきっとゲームオーバーだ。

負けてしまう。泣きたくはない。


「そうか。動き回ったものね。じゃあ、お風呂入って寝ようか。今、お湯を入れてくるから待っていて」


和真が動く姿を目で追って、次のミッションはなんだろうと考える。

手を繋ぐのだって、頭を撫でるのだって、キスをするのだって、1つの試練で、それを与えられた私はドキドキして恋に落ちたら負け。

負けないように、冷静に対処しなければならない。

しかし……ドキドキすることが多くて、かなり危険な状態。

それに和真は「真剣だ」とか「欲しい」とか言うから、惑わされてしまう。

本気なの?

それなら何で1ヶ月なの?

本気で好きになってはいけないと思うからこそ、真剣な気持ちをぶつけられても応じることは出来ない。
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