エリート上司と秘密の恋人契約
お風呂を先に入ってと和真は言うけど、私は和真が先に入ってと言った。お互いが譲り合っても決まらないので、じゃんけんで勝ったほうが先に入ることに決めてじゃんけん勝負をした。

結果、私はテレビを見ながら和真が上がるのを待つ。

待っている間、考えるのはお風呂を出てからのこと。お風呂から出たら、多分寝る。

どこに?

リビング以外の部屋をまだ見ていないけど、1つの部屋に和真がいつも使っているベッドがあるだろう。和真はそこで寝るとして……私は?

来客用のお布団あるのかな?

リビングに敷かせてもらおうかな?

昨日は気付いたら同じベッドで寝ていたけど、あれはただの成り行き。

今日はちゃんと別で寝るようにしなくちゃ。


「美弥。入っていいよ」


「はーい」


和真と入れ替わりにバスルームに入った。すれ違う和真から薔薇の良い香りがした。

バスルームのドアを開けると薔薇の香りが充満していた。

体を洗ってから湯船に浸かり、乳白色のお湯を両手ですくってみる。
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