エリート上司と秘密の恋人契約
憧れる気持ちは理解できるけど、なかなか購入に踏み切れるものではない。だけど、どんなに寝相が悪くても落ちなさそうだし、何よりも広々しているのは羨ましい。

寝心地が良さそう。


「どう?」


「ちょっと寝てみたいかも」


「ちょっと?」


「うん。ゴロゴロと転がってみたいかも」


「クスッ。どうぞ」


持ち主の了解をもらった私は遠慮なく寝転んで、端から端まで転がってみた。子供になった気分で、広いベッドを転がって楽しむ。


「美弥、気に入ったみたいだね」


「うん、いいね。この大きさは楽しいね」


「転がるよりも違う大人の楽しみ方も出来るよね?」


「えっ……! か、ずま……」


和真もベッドに上がり、両手を右にも左にも転がれないように私の横に置く。見上げれば、そこには和真の顔がある。

転がりたいからとベッドに上がった私は迂闊だった。

ベッドは転がって遊ぶためのものではない。ベッドは本来寝るためのものだ。

ぐっすりと朝まで気持ちよく寝るためのもの……だけど、和真は楽しもうとしている。
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