エリート上司と秘密の恋人契約
和真が言う大人の楽しみ方を瞬時に理解出来た私は行く手を阻まれたこともあり、動きを止めるしかなかった。

和真の瞳は少し茶色い。和真の鼻は筋が通っていて、きれい。和真の唇は少し薄め。和真の肌はきれい。あの入浴剤のおかげなのかな……

なんて、近付く顔を分析している場合ではない!

私はまさに食べられようとしているのではないか。


「あの……んっ!……」


近付いた唇に出そうとしていた声が塞がれる。私は「眠いから寝ましょう」なんて逃げるような言葉を言おうとしていた。

さっきした重ねるだけのキスでは終わらない。もっと……と思った私の気持ちは見透かされていたのかもしれない。

深くなるキスを受け止めようと和真の首に両手を回す。

好きだという感情がなくても寝ることは出来る。惹かれている気持ちを封じても抱かれることは出来る。

大人なのだから、することを楽しむ。このゲームは楽しんだほうが勝ちだから。

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