エリート上司と秘密の恋人契約

ちょっとした知り合いが家まで送るというのは、怪しいと思われても仕方がないが、小沢はそのことについて追求をしなかった。

小沢の知りたいことは今日のランチの相手。それが和真だと知ったら、全部が繋がるとは思うけど、今は内緒にしておきたい。

いつか打ち明ける日が来るかは分からないけど。


「で、ランチは彼氏と？ いつそんな相手が出来たんだよ？」


「あのね、大学の時の同級生で、買い物してたら偶然会って、話しているうちに意気投合して、付き合うことになったの」


ごくありがちな展開を作り上げた。ありがちな話だけど、意外と信憑性があるのではないかと思った。だから、納得してもらえる答えだと……


「なんだよ、それ。なんで他の男と付き合うんだよ」


「えっ？ 何でって、意気投合したから、付き合ったら楽しいかなと思って」


「星川、この際だからはっきり言う」


「な、何を？」


真っ直ぐ見つめてくる小沢がなんだか怖い。何を言うの？