エリート上司と秘密の恋人契約
あまり勘のよくない私でもなにか繋がりがあるのだろうかと思ってしまう。

和真は小さくため息をついて、ミヤを抱き上げて「おじゃまします」と入っていく。私もあとに続いた。

黒坂さんの奥さんと子供は習い事のピアノ教室に行っていて、1時間後に戻る予定だという。

和真と並んでソファーに座る。ミヤは和真の膝の上で丸くなった。ミヤのなつき方を見ていると、和真が主に見えてくる。

和真は何度もミヤを撫でていた。


「その猫はね、元々諸橋が飼っていたんだよ」


「えっ? そうなんですか?」


「うん。ある日さ、公園で箱に捨てられていたこいつを拾ったんだ。で、うちで飼っていたんだけど、うちのマンションはペット禁止だったから、ばれちゃって黒坂さんに引き取ってもらったんだ」


元々は和真の猫だったと聞いて和真になつく理由が分かった。

でも、何でこの猫にミヤという名を付けたのかは分からない。私と同じ名前なのは偶然なのかな?
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