私の値段。
3LDKの広い家で私はいつもひとりだった。一本の糸で繋いでいた様な私の精神は一気に崩れ堕ちるしかなかった。

母は家を出てすぐ男が出来て私に紹介をした。母が母に見えなかった。でも考えれば今までだってそうだった。母は男が居なければ生きていけない。母のそばにはいつも男が居た。


ベッドに入っても
結局は思い出との戦いで
眠れるわけなどなかったのだ。
身体を起こしタバコに火をつける。
カーテンのしまった薄暗い部屋で
タバコの火だけが紅く光っていた。
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