好き以上


「えと、よく分からないけど……いったいどんな流れで告白に」

「あ、好きだなと思って告白した」

「何それかっこいい」

どこまでも男前な螢ちゃんだった。
一度決めたことは即実行派の螢ちゃんの決断力の高さには、感服だ。

私はなるほど、と一度頷いた後続ける。

「それで、振られた、と」

「そう」

「古川先輩に?」

「うん」

「……えっ、何で?」

「知らない」

ふるふると頭を振る螢ちゃん。

古川先輩が告白して、螢ちゃんが振ったといわれるならまだわかるけれど、その逆はまったく想像できない。

あの螢ちゃん大好き人間の古川先輩が、螢ちゃんを? むしろ喜んで付き合うと思ったんだけれど……。 
そして、螢ちゃんは誰にも捻じ曲げることのできない強く、意志のこもった瞳の中に私を映しこみ、口を開く。


「振られたって別に大丈夫。それに関しては、わたしの諦めがつくまで気持ちを伝え続けるつもり」


なんかもう、螢ちゃんにうっかり惚れそうになった。なにこの子。男前すぎる。抱いて!


< 103 / 172 >

この作品をシェア

pagetop