お帰り、僕のフェアリー
僕は呆気にとられる。
思ってもみなかった言葉だった。
合コンに、誘われて、行ってきたのかな?
それで僕に対して、罪悪感を抱いた?
それとも、合コンの王様ゲームでキスでもした?
まさか、合コンで飲めない酒を飲まされて酔いつぶれて男に持ち帰られたとか?
僕は、何だか拍子抜けしてしまった。
よくわからないが、静稀が自分の意志で合コンに行くとも思えない。
気乗りしない合コンで、何らかの事故が起こってしまったとしても、しょうがないというか。
……もちろん僕の独占欲的にはおもしろくないから、当分静稀を虐めてしまうかもしれない……性的に。
でも、犬に噛まれたようなもの、だと思うのだが。
合コンにおける倫理観や貞操観念には、個人差も男女差もあるので、僕は何も言えず、ただ静稀の気持ちがおさまるのを待った。
が、静稀はいつまでも、め~め~泣き続け、泣き止む兆候が見えない。
僕は天を仰ぎ、ため息をついて、静稀の隣に座る。
静稀をそっと抱きしめて、背中をさする。
すると静稀は、僕にしがみつき、僕の胸に顔をこすりつけて泣きじゃくった。
僕のシャツが静稀の涙で濡れて、ぺったりと素肌にはりつく。
何をそんなに泣くことがあるんだよ。
「泣いてても、僕にはわからないよ?とにかく、何か言ってごらん。」
「……だって、……だって、セルジュ、怒ってるもん……怖いもん……。」
「怒らないから。」
「……怒ってる、もん。」
「……わけがわからないから、どうすればいいのかわからないんだよ。静稀だって、僕が理由も言わず、ず~っと泣いてたら困るだろ?」
静稀は鼻水をすすって、うなずいた。
「……怒ってない?」
「うん。」
「……怒らない?」
「うん。」
不安そうな静稀の頬に口づけしてみせる。
静稀は、またホロホロと新たな涙をこぼす。
めんどくさい子だと知ってるつもりだったけど、ここまでとは。
僕はもう苦笑するしかなかった。
静稀は基本的には素直ないい子なので、わがままと言っても、たかが知れてる。
しかし、想像以上に、意固地で頑固なのかもしれない。
……でなきゃ、厳しい音楽学校を卒業して、歌劇団で期待の新人になんてなれてないか。
僕は静稀の認識を改めた。
「静稀がどんなことをやらかしても、静稀を愛してるよ。」
でも今後は絶対目を離さないから。
僕はそう決意して、きっぱりと静稀に想いを告げる。
静稀は、僕の心を受け取り、やっと重い口を開いた。
「せ、先輩が、セルジュに、合コンを、してほしい、って。」
……は?
「何のこと?」
合コンって、静稀が行った話じゃなくて、僕が?するの?なんで?
「合コンで、セルジュを、紹介、してほしい、って……」
そう言って、また、うりゅうりゅと泣き出す静稀。
……はあ?
「え~と、よくわかってないんだけど、僕は、静稀の、何?」
「こいびとぉ~!!!」
静稀が僕の首にしがみついて、そう叫ぶ。
……だよね?
思ってもみなかった言葉だった。
合コンに、誘われて、行ってきたのかな?
それで僕に対して、罪悪感を抱いた?
それとも、合コンの王様ゲームでキスでもした?
まさか、合コンで飲めない酒を飲まされて酔いつぶれて男に持ち帰られたとか?
僕は、何だか拍子抜けしてしまった。
よくわからないが、静稀が自分の意志で合コンに行くとも思えない。
気乗りしない合コンで、何らかの事故が起こってしまったとしても、しょうがないというか。
……もちろん僕の独占欲的にはおもしろくないから、当分静稀を虐めてしまうかもしれない……性的に。
でも、犬に噛まれたようなもの、だと思うのだが。
合コンにおける倫理観や貞操観念には、個人差も男女差もあるので、僕は何も言えず、ただ静稀の気持ちがおさまるのを待った。
が、静稀はいつまでも、め~め~泣き続け、泣き止む兆候が見えない。
僕は天を仰ぎ、ため息をついて、静稀の隣に座る。
静稀をそっと抱きしめて、背中をさする。
すると静稀は、僕にしがみつき、僕の胸に顔をこすりつけて泣きじゃくった。
僕のシャツが静稀の涙で濡れて、ぺったりと素肌にはりつく。
何をそんなに泣くことがあるんだよ。
「泣いてても、僕にはわからないよ?とにかく、何か言ってごらん。」
「……だって、……だって、セルジュ、怒ってるもん……怖いもん……。」
「怒らないから。」
「……怒ってる、もん。」
「……わけがわからないから、どうすればいいのかわからないんだよ。静稀だって、僕が理由も言わず、ず~っと泣いてたら困るだろ?」
静稀は鼻水をすすって、うなずいた。
「……怒ってない?」
「うん。」
「……怒らない?」
「うん。」
不安そうな静稀の頬に口づけしてみせる。
静稀は、またホロホロと新たな涙をこぼす。
めんどくさい子だと知ってるつもりだったけど、ここまでとは。
僕はもう苦笑するしかなかった。
静稀は基本的には素直ないい子なので、わがままと言っても、たかが知れてる。
しかし、想像以上に、意固地で頑固なのかもしれない。
……でなきゃ、厳しい音楽学校を卒業して、歌劇団で期待の新人になんてなれてないか。
僕は静稀の認識を改めた。
「静稀がどんなことをやらかしても、静稀を愛してるよ。」
でも今後は絶対目を離さないから。
僕はそう決意して、きっぱりと静稀に想いを告げる。
静稀は、僕の心を受け取り、やっと重い口を開いた。
「せ、先輩が、セルジュに、合コンを、してほしい、って。」
……は?
「何のこと?」
合コンって、静稀が行った話じゃなくて、僕が?するの?なんで?
「合コンで、セルジュを、紹介、してほしい、って……」
そう言って、また、うりゅうりゅと泣き出す静稀。
……はあ?
「え~と、よくわかってないんだけど、僕は、静稀の、何?」
「こいびとぉ~!!!」
静稀が僕の首にしがみついて、そう叫ぶ。
……だよね?