幸せは、きっとすぐ傍


「姉貴……」


大地がそれだけを漏らして再び口を閉じる。言葉に出来ない、そんな表情に頷いてさゆりは頭の中で辞書を引っ張り出した。


ブルーは青。インパルスは衝撃。




────青い衝撃。




ブルーインパルス、青い衝撃。


まさに言葉通り、青い衝撃だと思った。こういうのを言い得て妙だというのだろうか。名前を付けた人はブルーインパルスをよく分かっていたのだと思った。



周りが喧騒を取り戻し、騒がしくなっていく。ぞろぞろと移動を始める中、さゆりと大地はきゅっと唇を引き結ぶ。


不意に視線を合わせ、それからまた空へと視線を向けると、二人は漸く動き始めた。


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