小悪魔な彼の想定外な甘い策略
1
休日の朝。
彼と一緒にベットの中でまどろんでいると、ふいに携帯電話が震える。

後回しにしようと思いつつも、彼もまだ背を向けて寝ているみたいだし……と、届いたメッセージに目を通す。


『おはよー、まだ布団の中。ランチまでにはそっちに行けるよ!約束のカフェ、行こうね』


差出人は、彼。
そう、今まさに背を向けて寝ているとばかり思っていた、彼。

今日は折角の土曜日なのに、職場の先輩のミスを肩代わりしてどうのこうの、で、昼前には職場に行かなきゃ、と言っていた、彼。


……そうですか。
全てが繋がり、血の気が引くような気がした。


『まだ布団の中』は、嘘ではない。でも、隣に私がいるわけで。


『ランチまでには』いなくなってしまうのも、本当で。


なるほど、あんたは今から他の女のところにいくわけね?
そして、約束のカフェで、ランチをするのね?
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