小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「ですよね、噂の的になっちゃいますもんね!」


……何故ちょっと嬉しそうに言う?

それぞれの思惑は違えど、並んで歩き出す私達。


「で、どこ行くの?」


「んー、最近出来たセレクトショップ、凄いかわいいとこあるんでー、そこに行って、それから美味しいカフェがあるから、そこに行ってー、「いや。ちょっと、質問」


楽しげに話す梶山君を思わず遮り、顔を見上げる。
私だって背が高い方なんだけど、梶山君くらい、見上げる人って中々いない……じゃなくて!!


「何そのプラン、まるで、デ……」


何となく言い淀む。
言ったら敗け、っていうか。かといって言わないのも、変に意識しているみたいで恥ずかしいし。


「アハハ、デートっぽいですよね、それもいいかも!」


「……はい?」


目の前にいる人の考えていることが分からない状態というのは、恐怖に近い。

とんでもないことを言い出しそうなんだもん、梶山君。
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