小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「冗談です、あのね、俺あれから考えたんですけど……今回の作戦は名前をつけるとしたら『隣の芝生は青い』です!」


「……は、い」

とりあえず、おとなしく聞く。聞きながらも、梶山君の足は確実に目的を持って歩んでいるので、私はその、広い歩幅に合わせて歩くので結構精一杯。

「因みにこのことわざ、元々は英文の訳です」


「……へぇえ」


で?とツッこみたい気持ちをこらえ、歩き続ける。


「あれから考えたんですけどー、やっぱり、どっち付かずの男には、ヤキモチを妬かせるのが一番かな、と」


「……ふぅん?」


そんなもの?そんな単純な話なの?


「一度はヤってるわけだし、散々甘い言葉をかけてきてるわけだから、すみれさんの事はきっとタイプなんですよ、でも……」


「でも?!」


思わず食い付く。それ大事な部分の気がするし!
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