小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「ま、そーっすね……いや、俺もそんなんじゃないですけど!で、とにかくー」


……怒ってる?
何だか梶山君にしては、珍しい話の切り替え方。

「……うん」


「そんな、宙ぶらりんの子が、どうしたら特別な存在になるか。そしたらやっぱり、これだなって」


「?!」


言い終わるか終わらないかのタイミングで、私の腰に暖かい感触があり、引き寄せられる。


一瞬何が起きたのか分からなくて、固まってしまった。


「な……ちょっと!!」


我にかえり、どうやら梶山君が腰に手を回してきている、と分かると、ぐいっと慌てて押し戻す。


外だし!道だし!明るいし!!


……いや、じゃあ暗くて人目がなけりゃいいのかって事になっちゃうから言わないけど。


「何事よ?」


努めて冷静な声を出す。私、一応先輩なんだし。
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