小悪魔な彼の想定外な甘い策略
じゃじゃん、と指差した梶山君の首もとにはさっきは無かった気がするアイテム。
……ピンクゴールド色の柔らかそうなマフラー。

「そんなの、さっきしてたっけ?」


「今合わせて買ったんです!そのカーディガンと同じ素材らしいっす!こういう、さりげなーいペアルック感で刺激しましょう、トナシバ大作戦」


なんだかもう、久し振りに聞いた感じ。
そうね、そんな作戦だったわね。


「んじゃ、そのマフラー代も込みで返すよ!作戦代っていうか。にしても、誰かに見られたらまずいから一旦取って!」


「もー、なんなんですか、すみれさん 」


なぜか軽く怒り出す梶山君。
怒りつつも、『誰かに見られたらマズイ』には同感なのか、マフラーをもそもそと外して袋に入れる。


「いいんですよ、こういうのは!……は、もしかして」


今度は急に切なそうに眉根を寄せて私を見つめる。


「……なに?」


「すみれさん、男運超絶悪いから、プレゼントとかされたことないとか……?」


いやいや、ちょっと!バカにされてる?!
< 131 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop