小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「おー、室岡、どしたー?」


「いや、どしたはあたしの台詞だし!あれ?て言うか、すみれ先生……?」


「どーもー」


どうしようもなくて、何となく挨拶をする。


「何、お前家この辺なの?」


「いや、今日は友達と遊んでこっちに来ただけー!先生達、こんなとこで何やってんの?」



「お前なー、塾講師なめんな!こうやって、週末も、塾に行く当番じゃないとしても研修行ったり、資料集めに行ったり大変なんだっつーの!感謝して勉強しろよ!」


さっきまでとはうって変わって、先生ムードを全面的に押し出す梶山君に尊敬しつつも、うまく合わせることも出来なくて、側で曖昧に微笑むという謎のポジション確立中。


楽しげに話す二人に、さりげなく声をかける。


「んじゃ、梶山先生ー、私、お先にー!室岡さんも、またね」


そそくさと離れ、とりあえずぷらぷらと道に沿って歩いていく。
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