小悪魔な彼の想定外な甘い策略
9

*****


「どこで間違っちゃったんだろう?」


「……縞ほっけの辺りじゃないですかね……」


「ああそうね、美味しかったし……確かに」


梶山君と二人、歩きながらの反省会。


「いや、そもそもカフェが商魂たくましく日曜日もやっててくれれば良かったわけで……」


「梶山君、それは責任転嫁というものよ」


時間は午後の11時。私達は、とぼとぼと人気のない道を歩いていた。


そもそも、遡ること夕方6時。
室岡さんに見つかったことから、時間差でカフェに向かった私と梶山君。

予定では、そこで軽くベーグルサンドでもつまんで(ベーグルサンドが隠れた名品だ、と梶山君が豪語していたから)最終打ち合わせをして、夜の7時半とかその辺りには蓮田さんのバーへ行くはずだった。


そう、そして『トナシバ大作戦』を決行するはずだったのに……。


件のカフェがお休みで。
途方にくれる私と、そこに時間差で現れた梶山君。
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