小悪魔な彼の想定外な甘い策略
まだ幼さの残る中1の女の子達は、頬を紅潮させて、『失礼なほどに馴れ馴れしく振る舞うことが親しさの証であり、先生にとって特別な生徒となる』と信じているかのように、代わる代わる梶山君に男の子みたいな口調で詰め寄ってみたり、はすっぱな態度を取ってみたりしている。

かわいいもんだわ、と思いつつ赤ペンを走らせ、一刻も早くやるべきことを終わらせて家に帰りたいと思う私。


家……というかね。
行きたい場所が、出来たんだよね。そのために頑張っていると言っても過言ではないかも。

思わずふふ、と頬が緩む。


そう。

男運の悪さを嘆き、何度となく『もう絶対恋なんてしない!』と心に誓ってきたのだけど、ほんの少し、その事態が変わるかもしれないという予感のする今日この頃。

だからこそ、予防線を張るように過去の嫌な記憶を掘り起こしているのかもしれない。
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