小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「付き合う気なんて無いけど……道を潰すって、どういうこと?」


だって、だって……。
勿論私だって『蓮田さんがダメだからハイ次ー!』なんて、思っているわけではないけれど、梶山君とのことは、まだ一ミリも始まっていない。
始まるかどうかすら分からない。

……ただ、少し、気になるだけ。

職場とは違う顔を見せる彼のことが、ほんの少し。
思ったより違うキャラなのかも?と感じる彼のことが、ほんの少し。



「そりゃ、そうでしょ。だって、梶山君に相談したんでしょ?ホストまがいのバーテンのこと。しかも、作戦たてて一緒にバーに行ったってことは、あんたとバーテンが大した思いもなくヤった、ってばれてるんでしょ?私なら嫌だ、そんな尻軽アラサー女」


ぐうううううう。
ぐうの音も出ないとはまさにこの事。


「……でもさ、その事、まっっったく、記憶ないの…… 」

そんなことで罪が軽くなるなんて思っちゃいないけれど、一応言わせてほしい。
ささやかな抵抗。
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