小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「記憶無くなるまで飲むとか……ああもう最低。ますます印象悪いわ。あーあ、梶山君は絶対あんた狙いだと思ったのになー、自分で潰しにかかるんだから。ほんっと、男関係、ついてないよね」


そうか。
確かに言ってたな。梶山君ってば、私の事、酒癖悪いとか。
そりゃそうか。


そんな風に反省しつつ、『梶山君が私狙い』なんて、全く根拠のないなっちゃんの台詞に少し嬉しくなっている私がいる。

なにやってんだっつーの。


て、いうか。彼女がいるんだってば!!また大きなミスを犯すところだった。
そうだ、なっちゃんに言っておこう。


「梶山君は、第一ぞっこんな彼女がいるんだよ。だから、今回色々やってくれたのも、別に深い意味はなくて…… 」


なっちゃんに、言うと見せかけて。

私は自分で自分に戒めているんだ。


『梶山君には、かわいい彼女がいるんだよ』
『好きになっても幸せになれない相手だよ』
って。
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