小悪魔な彼の想定外な甘い策略
すみれさんがどうやら職場に早く顔を出すことが多いらしい、と気がついた秋。


二人で話す時間が欲しくて、早く行くようにした。

練りに練った、俺のキャラに沿う、自然体を装った計画的な行動。

まぁ、近所のコンビニのお姉ちゃんがかわいいってのも、本当なんだけど。


彼女と電話で話しているふりをしながら登場するっつー『エアーもしもし作戦』は、効果的だった気がする。


物音にびびって机の下に潜っているすみれさんを見たときは可愛すぎて、やばかった。


腰を抜かすとか反則だろう。

いかがわしい気持ちではなく、本当に知っている知識をもってして対応した『腰が抜けたことへの対処法』が、物凄く大胆な行動だ、と、気がついたのは、唇に触れたあとで。


散々女子をもてあそんできた俺が、すみれさんの唇が、柔らかい、と思っただけでガチガチに、緊張するなんて。

でも、絶対に悟られちゃいけなかった。
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