小悪魔な彼の想定外な甘い策略
俺が、すみれさんといると緊張してしまうということ。


俺はあくまでも、『職場のチャラい後輩』でいたかった。

それ以外、そばにいる方法なんて分からなくて。


だから、不意打ちですみれさんに手を捕まれた時は本当にチビりそうだった。


俺の指先がグロスで汚れていないか、とかなんとか言っていたけど正直頭は真っ白で。


いつものキャラを貫けていたかどうか、自信がない。


それにしても。

彼氏候補、なんて言葉にちょっと焦り。
そこからの、キスマーク。

折角見られた下着姿が全くインプットされないくらい、ショックだった。


おいおい、男を職場に連れ込んで真っ昼間からヤってたのかよ、と。

でもまあ、様子からそうではなさそうだと思ったけれど。


一瞬見ただけのほんの小さなキスマークは、俺を苦しめた。
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