小悪魔な彼の想定外な甘い策略
よくない妄想ばかりが広がり、嫉妬でどうにかなりそうだった。


男っ気がないと思って油断していた。

そうだ、すみれさんは天然だから、自分の魅力に気づいていない。


俺は焦った。

どうにかしたかった。


現状を把握して、まだ間に合うのならすみれさんを奪いたかった。

いや、間に合わなくても何とかしたかった。

表面上は、ただのチャラい後輩キャラを崩さずに。


だけど、結局。
居酒屋で、その相手の事を好きなんだ、とはっきり聞かされてしまった俺。


まぁ、元々。

何年もひたすら思い続けていました、とかじゃないから。

憧れの人に再会して、ちょっと浮き足立ってただけだ、と思って、思い出作りに、一度くらいデートでもすれば俺の気持ちも晴れるかと思ったんだ。

女子には不自由してないし、そこまですみれさんに固執する必要もないと思っていた。

なのに。
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