小悪魔な彼の想定外な甘い策略
いざデートをしたら、楽しくて楽しくて。


デートって言ったって、ほんの短い時間。甘い雰囲気になるわけでもないし。

『恋人ごっこ』という大義名分のもと、手は繋げたけれど、中学生じゃあるまいし、そこにあんまりはしゃぐのも、普段モテモテの俺のプライドが許さないというか。


でも、とにかく、楽しかった。


それなのに。


鉢合わせしたバーテンダーが、イケメンなのはまぁ仕方ない。
イケメン度合いで言ったら俺のが断然上だし。


でも、『オトナの男』っていう部分が気にくわなかった。

そればっかりはどうしようもないし、そして唯一、俺の弱点だったから。


すみれさんにとって頼れる男。
それって、年上のオトコなら、分かりやすい。


年下だって、元教え子だって、俺はすみれさんを守れるというつもりでいるけれど、『年上のオトコ』なんて頼りになる、の代名詞のようだし。

ヤバイと思った。
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