小悪魔な彼の想定外な甘い策略
予想外の人から好意を寄せられることは今までも散々あったけど、すみれさんからの言葉は信じ難くて。


すみれさんが、俺を好き?

だって、あいつは?


あ、詩音さんがいるから諦めたのか?


いやいや待て、ちょっと、ほら。


ああもう、言っちゃおう。そう思って、俺の素性をばらした。


俺は、小さくてよわっちくて女みたいだった、『ともくん』ですよって。


あのバーテンダーとの一夜も覚えていないようなすみれさんのことだから、この事も忘れてしまうかもしれない。


て言うか、俺のことが好きとか、酔った戯れ言なのかもしれない。


でも、それでもいいや、と思った。


今目の前ですみれさんが笑っていること。
それが大事なんだと思った。


俺とすみれさんは、恋人同士になった。



嘘みたいで、夢みたいだけど、そうなった。

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