小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「暖かみのあるレンガ造りのオムライス専門店、1日に1回だけ出てくる幻のオムライスを食べたカップルは永遠に結ばれる……だって!」


「乙女か!!」


つっこみつつ、智くんの音読の内容に思いっきり惹かれる私。


「ちょっと遠いけど行きましょうよー、ペンションとかも探せばありそうだし」


「……ねぇでもこのお店、まだオープンほやほやじゃん。幻のオムライスの効力なんて、まだ誰も感じてないじゃん……」


雑誌を智くんの膝から取り上げて読んでいると、急にふわりと抱き締められる。


「……!ちょっ、なにすんの!!」


思わず声を荒げ、持っていた雑誌でバシバシと智くんの身体を叩く。
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