小悪魔な彼の想定外な甘い策略
来たばかりのカップルは、奥のボックスシートに行ってしまい、カウンターにはさっきまでいたお客さんがいなくなって私だけ。

そんな、ほとんど二人きりの状態で対峙する私達。


なんだろう、この感じ。

だって、蓮田さんて……いい人だよね?なんでそんな顔で笑うの?

訳がわからず、そんな蓮田さんを見つめる私。


「もー、そんなこと聞いてきて、俺に興味でもあるのかと思っちゃうじゃん?だめだよ、そんな期待させちゃ」


「……へ」


何だかぞわぞわする。
駆け引きが得意じゃない私でも、そんな、何かを含んだような会話のやりとりが成立するんだろうか。

私が今感じている、蓮田さんの気持ちは、正しいんだろうか。

「あ、あります」

つい、大きめの声が出てしまい、しまったと思い小声で言い直す。

「蓮田さんに、興味、あります……」
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