小悪魔な彼の想定外な甘い策略
蓮田さんと私の視線が絡まる。

照明が薄暗くても、空気が変わったのは肌で分かった。


「あ、私、蓮田さんのこと好……」

勢いで飛び出した私の言葉は、顔のそばにそっと広げられた蓮田さんの手で遮られる。

綺麗な白い手。


触れたわけでもないのに、その綺麗な手の感触を想いながら、口をつぐむ。


「すみれちゃんは、大事なお客様だから」


だから……なんなんだろう?全身で、蓮田さんの言葉を待つ。
自分の胸の音がうるさくて、蓮田さんの言葉を聞き漏らしてしまいそう。


「おかしなことにはなりたくないけど、きっと俺達は同じ気持ちなんだね」


うーーーーーーーわーーーーーー。
それって、それってどういう意味?そのまんま取っていいのなら……私と蓮田さん、まさかの両想いってこと?!


顔が、全身が、熱くなるのが分かる。

彼氏候補、なんて見栄を張ったけど、あながち嘘じゃないかも?これってどういうこと?
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