小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「あ、おは……ていうか、あの、ここどこですか?今何時?で、私昨日は……」


私の言葉を聞きながら笑い出す蓮田さん。

「まぁまぁ、落ち着いて。お水でも飲みなよ」


両手に持っていた、薄いガラスで出来た華奢なデザインのグラスを1つ、手渡してくれる。


それを受け取りつつ、とりあえず何をどうすればいいのか分からず、蓮田さんの綺麗な顔をじっと見つめてしまう。


「あの……」


呆然とする私を横切って、マットに腰掛ける蓮田さん。


「うんとね。一つ一つ答えるとー、」

言ってからゴクンとグラスの水を飲む。
ぐるりと動いた喉仏がセクシー、とか見とれている場合じゃない気がする。


「ここは、RIZEの二階。俺とかバイトの子の休憩スペース、的な?で、時間はもうすぐお昼」


も、もうすぐお昼……通りで、お日様が随分と高い位置にあるわけだ。
って、いやいやいやいや、ちょっと待って。

私、一時から勤務なんですけど……。
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