小悪魔な彼の想定外な甘い策略
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「……な、なにこれ……」
12時過ぎ、職場のトイレ脇の水道の前にかけられた簡素な鏡を前に、思わず呟く私。
まだ誰も来ないのをいいことに、ワンピを脱ぎ捨て、ブラとショーツの上からロングタイプのキャミソールを着ているだけの状態で、がっつり全身を制汗シートで拭き取り中。
お風呂に入れない、せめてもの対策のつもり……。
で、メイク道具の入ったポーチも辛うじて持っていたので、一通りやり直そうとしていたその時。
左の、胸元にしっかりとキスマーク。
ほんの少し前、別れ際の蓮田さんの顔が浮かぶ。
……ねぇ、まさか私、本当にヤっちゃったの?! 普通、どんなに酔っ払っていても、仮にも好きな人とのエッチ、全く記憶ないとか有り得るわけ?!
ショック……。
ショックはショックだけど……何て言うか、アラサーの私からしてみれば、全く記憶がないのもほんの少し勿体ないっていうか……(二度とないチャンスだったかもしれないし!)。
「……な、なにこれ……」
12時過ぎ、職場のトイレ脇の水道の前にかけられた簡素な鏡を前に、思わず呟く私。
まだ誰も来ないのをいいことに、ワンピを脱ぎ捨て、ブラとショーツの上からロングタイプのキャミソールを着ているだけの状態で、がっつり全身を制汗シートで拭き取り中。
お風呂に入れない、せめてもの対策のつもり……。
で、メイク道具の入ったポーチも辛うじて持っていたので、一通りやり直そうとしていたその時。
左の、胸元にしっかりとキスマーク。
ほんの少し前、別れ際の蓮田さんの顔が浮かぶ。
……ねぇ、まさか私、本当にヤっちゃったの?! 普通、どんなに酔っ払っていても、仮にも好きな人とのエッチ、全く記憶ないとか有り得るわけ?!
ショック……。
ショックはショックだけど……何て言うか、アラサーの私からしてみれば、全く記憶がないのもほんの少し勿体ないっていうか……(二度とないチャンスだったかもしれないし!)。