小悪魔な彼の想定外な甘い策略
一応、全身をチェックしてみたけれど、どうやらキスマークはその１ヶ所だけみたい。


うーん。

身体を拭く手を止めてしばし考える。

……さっきの蓮田さんの話と、自分の記憶を擦り合わせて予測すると……。
つまり、昨日の夜、酔っ払っているところに、蓮田さんの甘い言葉で更に酔いが回り、カウンターに、突っ伏して寝てしまい、休憩スペースで……一夜を共にした、と……。


確かに、落ちる寸前のおぼろげな記憶はある。
でも……そこから先、私から誘っただの、そういうの全く覚えていない。
普通、断片的にでも覚えているものなんじゃないの？
変なこと言っていないといいんだけど……いや、言うだけじゃ済まないよね。
変なことしていないといいんだけど。


ああもうどうしよう。
まるで、私と蓮田さんの気持ちは、同じみたいな流れだった気もするけど、さっきの蓮田さんは妙に冷静だったというか……やっぱり私何かしちゃったのかもしれない。
怖すぎる。
< 70 / 235 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop