小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「うっわぁぁぁぁああああああああ!!!」

「きゃああああああ!」


不意に聞こえた叫び声に反応して私も思わず叫ぶ。

反射的に側に置いてあったワンピを掴んで胸元に寄せ、後ろを振り返る。


「か、梶山くん……」


そこには、廊下にしりもちをついてこっちを見上げる梶山君の姿が。

「……なにしてんの……」


洗面台に体重を乗せ、なるべく梶山君と距離をあけながらたずねるも、

「いやそれ完全にこっちの台詞です」

と言われ、もっともだなと思う。


「ちょ、一旦時間くれる?私ちょっと今取り込み中で」


「あー、はい、ですよね、格好、あ、はいはい」

しどろもどろになりながら梶山君が真っ赤な顔で出ていく。

オンナの裸なんて見慣れた彼でも、そりゃびっくりするか……。

とか考えている暇はない。
慌ててワンピースを着て、メイクをして、髪の毛を適当にまとめて洗面所を後にする。
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