小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「梶山君、最近早くない?」

「そりゃ、皆の憧れ、すーちゃんセンセと二人で過ごせる貴重な時間ですもん」

「……正直に言うと?」


慣れてはいるけれど、本当にこの子のいい加減さというか適当さは、イケメンだから許されるものの……。


「はーい。近所のコンビニにかわいいバイトの子が入ったので、昼飯をそこで買う機会が増えました」

「……正直でよろしい」


たったさっき、半裸姿を見られたという失態を忘れたくて、違う話題になったことに内心ホッとする。

「……で、今日はお湯入れて貰わなかったんだ?」

未開封のカップラーメンを指差して言ってみる。この際だから誰か来るまでしょうもない話で場を繋ぐしかない。


「それがねー、いなかったんですよ、いつものかわいこちゃん」

がっかり、という表情で肩を落とす梶山君。

「しょーがない、じゃあそんな梶山君のためにお湯を用意してきてあげるよ」

どっちにしろ、職員用にお湯をポットに用意しなくてはいけないので、給湯スペースに向かう。
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