小悪魔な彼の想定外な甘い策略
平常モード、ふざけたまんまの梶山君といると、昼間の抱擁も、そういう悪ふざけの一環で深い意味なんてないんだな、と改めて思う。

いつもと違う空気感、なんて分かりもしないのに一人でドギマギしてばかみたい。


「ね、梶山君の彼女ってどんな人?」


まるで昼間のことを払拭するように、聞いてみる。
この、隣を歩きながらふざけているパッと見イケメンの年下君には、きちんと彼女がいる。

だから、あのやり取りに、意味はない。

そうやって、一つ一つ整理していきたい。

ただでさえ、蓮田さんとのことでパニクっているのに、余計な事が増えると、私のキャパシティ、軽くオーバーしちゃうから。

梶山君には、ややこしい関係ではなく、ただの気楽な職場のかわいい後輩でいて欲しい。


「んー、どうって……普通っすよ」


大して面白くも無さそうに、頭をポリポリとかきながら答える梶山君。
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