小悪魔な彼の想定外な甘い策略

「普通、って……あるでしょ、もっとこう。じゃあね、見た目は？どんな感じ？なんかさ、いつも言ってるじゃん」


「見た目……うーん、髪の毛はストレートロングですね、顔は、かわいい系、かなぁ。て言うか、本当ですよ、いつも言ってるのに全然覚えてないんだもん、すみれさん」


梶山君にしては、なんの面白味もない答え。いや、別に面白くなくてもいいんだけど、なんだか意外で。


「なによ、そのざっくりした感じ……『俺こう見えて一途なんす！』って公言するくらいベタぼれな癖にぃ～」


からかうような口調で言ってみる。
梶山君のいいところは、チャラチャラしつつも、そこら辺がしっかりしているところだと思う。

「まー、そーなんすけど、へへ」


ああ、そうか。
結婚している芸能人も、２パターンに分かれるよね。家庭的なイメージでぐいぐい押してくるのと、極力私生活の匂いを感じさせないのと。

それか。

梶山君は色んな子と、チャラチャラするのが好きだから、彼女の事は極力触れないのかもしれない。
変に期待をさせないように、いることは公言して。