ナンバーガールズは哲学する。
ナンバーガールは宣言する。
1 ある散文

後の世代の人々が、私達の生きる時代を省みた時に、

得られる教訓があるとすれば、

それはきっとこんな一言に集約できるかもしれない。

「繋がりは時に綻びを産む」

私達は今も、常に、姿の見えない誰かと繋がっている。

人生とは共感覚を連続的に記号化し再構成する作業。

私達にとって、個人的な感情や体験はもはや意味を成さない。

例えば、思い出と呼ばれる、感傷的な記録。

私達は、それを意識的に、名前さえわからない誰かに再分配を企てる。

私達が生まれた時に、まず植えつけられる教訓、OSのようなもの。

「私達個人の存在は、誰かとの繋がりの中でこそ、価値がある」

人との関わりを絶つことは、古臭い例えをするならば

自ら紡いだ小説を、机の引き出しに仕舞い込んでしまうようなもの。

未発表の原稿、それは友達のいない、今の惨めな私。

機械的な正確さの中で打ち出されるドットの中の、アリエナイ、滲み。

繋がれない私、綻び。

現時代的に言えば、それは即ち、「死(終っている)」

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